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セミは熱帯や亜熱帯の森林地帯を中心に分布する生き物ですが、冷帯の森林や草原に生息するセミもいます。約3000種の中には、テイオウゼミの様な羽端までが13cm位の巨大な物から、イワサキクサゼミの様に2cm程度のセミまでいます。セミは成虫期間が数週間で、短命代表の生き物のイメージがありますが、幼虫期の地下生活を含めると約3〜17年(アブラゼミは4〜5年)と長く、全体の寿命は昆虫類中上位の生き物です。ハルゼミの様に春に出現するセミや、チョウセンケナガニイニイの様に秋に出現するセミなどいますが、日本の場合、成虫の出現期は主に夏です。
セミのオスの不思議は、鳴いてメスを呼ぶため、成虫オスの腹腔内には音を出す発音筋と発音膜、音を大きくする共鳴室、腹弁などの発音器官が発達しています。また、外敵に捕獲された時にも鳴きます。鳴き声の大きなヒグラシやヒメハルゼミなどは、腹部を透かして見ると殆ど空洞に見えますが、これは気管の拡大によって生じた共鳴室が大きな空間を占めているためです。セミのメスの不思議は、腹腔内は大きな卵巣でいっぱいで、尾部には硬い産卵管が発達しています。セミの鳴き声や鳴く時間は種類によって大きく違い、種類の判別に役立ちます。クマゼミは午前中、アブラゼミやツクツクボウシは午後、ヒグラシは朝夕、ニイニイゼミは1日中など様々です。日本では夏の昆虫ですが、真昼の暑い時間帯に鳴くセミは不思議と少ないのです。

ハルゼミ
ハルゼミは本州から九州に生息し、本州のセミでは最も早く出現します。平地から低山地の松林にいる普通のセミで、ギーンギーンと大きな声で鳴きます。このセミの不思議は天候に敏感で、曇りや雨の日は殆ど鳴きませんが、日が射すと一斉に合唱を始める生き物です。産地にはよく似たエゾハルゼミが住みます。

チッチゼミ
チッチゼミは北海道南部、本州、四国、九州に生息し、本州で見られるセミの中で最も小さいセミです。高い枝先にとまるので、姿を見つけるのは困難です。このセミの不思議は、体は全体に黒色で銀褐色の鱗毛(りんもう)に覆われています。松などの針葉樹林の小枝や葉上でチッ、チッ、と単調な連続音で鳴きます。よく似た種に北海道のエゾチッチゼミがありますが、分布範囲が北海道、サハリンで、チッチゼミとは異なる生き物です。

アオネゼミ
アオネゼミはマレーの熱帯雨林の原生林に生息する、世界で最も派手な色彩を持つセミです。このセミの不思議は、赤い目や緑の羽がとても鮮やかですが、毒々しい色彩でもあります。警戒色の一種と思われるが、毒がある生き物がどうかはわかていません。飛んでいてもよく目立ち、比較的低い所にとまります。最も多い季節は3月から5月でアブラゼミを甲高くした様な声で鳴きます。

テイオウゼミ
テイオウゼミはマレー、スマトラの熱帯雨林の高地に生息する生き物です。世界最大のセミで、低地にはやや小さいクロテイオウゼミしか生息しません。夕方薄暗くなる頃のみ活動します。このセミの不思議は、ウシガエルのような大きな声で鳴きます。また、ムーという様にも聞こえるその声は1kmも離れた所からでも聞こえるから不思議です。マレー半島では3月〜5月に多く見られ、それ以外の季節は稀です。明かりに引き付けられる性質の生き物です。
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