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アゲハチョウ
アゲハ蝶は南極大陸を除く全てに生息する生き物で、550種類ほどが分布します。高山に生息するアゲハなどもいますが、熱帯地方が分布の中心です。
アゲハの不思議は大きさと色彩です。チョウの中では最も大型の分類で、成虫は大きな羽があり、中にはアオスジアゲハのように割りと小さな羽で速く飛び回る物もいます。アゲハの羽の鱗粉は種類によって黒・白・赤・黄・青・緑など様々に彩られています。また後羽の縁には大小の突起があり、特に後羽から斜め後方に伸びる長い突起のことを尾状突起といいます。これらの突起の長さや有無もアゲハ種類を判別する有効な手がかりになります。
アゲハの成虫は殆どの種類が花に飛来しますが、水たまりや海岸などで水分を吸う習性があるアゲハが多いです。
日本産のアゲハ類はミカンやサンショウなどの柑橘類植物を食草とするものが多いです。不思議なことは、体内にアルカロイドを蓄えて鳥などの天敵の生き物に食べられないようにしています。ジャコウアゲハやトリバネアゲハ類はウマノスズクサ類を食草としています。
アゲハ幼虫の不思議は、チョウ目幼虫と異なりアゲハ類の幼虫は頭部と胸部の間に「臭角」という1対の角を持ちます。この角の構造は、二股に分かれた半透明のゴムの袋のようで、アゲハの種類によって赤から黄色といった色彩をしています。通常は、体内に裏返したように収納していますが、強い衝撃を受けると頭部と胸部を反らせ、収納していた角を体液の圧力で反転し、突き出します。この角の表面には強い臭い物質が分泌されており、外敵を撃退します。アゲハの自然界を生き抜く、防衛の不思議ですね。

アオスジアゲハ
アオスジアゲハは本州から八重山に生息する生き物です。敏速に飛びまわり、その姿が美しい南国的なアゲハです。元々は暖地の森に住むアゲハです。幼虫はクス科植物の葉を食べます。クスは街路樹として植えられたり、神社にも多くあります。関東地方以北でクスが生えるのは、自然の中よりむしろ町中なので、人家周辺のアゲハと言えます。成虫のアゲハは不思議と白っぽい花を好んで訪れます。

ミカドアゲハ
ミカドアゲハも本州西部から八重山に生息する生き物です。南国のアゲハで東洋熱帯に広く分布しますが、日本では珍しいアゲハの種類です。沖縄県を除けば分布は局地的です。高知市では天然記念物にも指定されています。ミカドアゲハの不思議は、敏速に飛翔し、トベラ、ヤブガラシなどの花を訪れる事です。湿った地面から吸水する事もよくあります。ミカドアゲハの幼虫はモクレン科のオガタマノキやタイサンボクを食べます。絶滅危惧の生き物、レッドデータブックの希少種に指定されています。

キアゲハ
キアゲハは北海道から九州に生息する生き物です。キアゲハの不思議は、草原性のアゲハで、日当たりのよい場所を好む事です。草原や水田の周辺など明るい場所に多くいます。オスのキアゲハは山の頂上でなわばりを張っているのもよく見かけます。アゲハチョウに似ていますが、キアゲハは名前のとおり羽の地色が黄色っぽく、前羽の付け根が黒いので区別できます。キアゲハの幼虫はセリ科植物を食べます。都会の真ん中では見かけませんが、これは不思議な事ではなく、草原が無いため食草がない事によります。生き物全般に言えるのは、生き物は食物と分布に敏感という事です。
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